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小学校入学前に、ひらがなを書けないといけない?

幼児教育

ひらがなが書けなくても心配いりません。でも、……

A子さん
A子さん

小学校に入る前に、ひらがなを書けないといけないの?

ruamei
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書けなくても心配はいりません。でも、……

幼稚園も年長組になると、保育園や幼稚園でも小学校への準備が始まり、ひらがなが書けないと心配になるかもしれませんね。

結論からお伝えすると、書けなくても心配はいりません。けれども、ひらがなが一字も書けない、読めない、そして、本を読んでもらうこともあまりない、という場合は小学校の学習についていくことが困難になります。

小学校1年生の教科書は、ひらがなを習っていない子どもを対象として作られています。ですから、小学校では、すべてのひらがなの書きを習います。けれども、その進度がとても速いのです。4月に入学し、5月の下旬から6月上旬には、特殊音を含め71文字すべての学習を終えます。特殊音、いわゆる促音「っ」や「おとうさん」などの長音、拗音「ゃ」「ゅ」「ょ」に加え、拗長音が使われた「しょうぼうしゃ」といった書き方のルールも学びます。さらに、この4月5月は祝日や行事も多く授業時数が少ない中、71文字を学習するので、「ひらがなが一字も書けない、読めない、本を読んでもらうことも少ない」といった子どもは授業の進度についていくことができないのです。

A子さん
A子さん

じゃあ、やっぱり幼児期にひらがなを書けるようにしておかねばならないのですね。

ruamei
ruamei

いいえ、書けなくても心配はいりません。

A子さん
A子さん

えっ、どういうこと?

「読み」「書き」「語彙」の中で国語力を高めるのに必要なのは?

ある調査結果*によると、小学生の国語テストの結果は、幼児期のひらがな学習の有無と密接に関わっています。さらに詳しく見てみると、小学生の国語力は、幼児期の語彙力との相関性が最も高く、その割合は語彙(0.40)、次に読み(0.31)、最後に書き(0.16)という結果になっています。

*国立国語研究所の調査結果、および幼児教育の大家である白梅学院大学学長の無藤隆氏が行った調査結果。いずれも同じ結果が出ている。


無藤隆氏の調査結果をもとにruamei作成

つまり、ひらがなを書けることが小学生の国語力に与える影響は低く、言葉をよく知っている、ひらがなを読めるといった子に関しては、特にドリルなどをやらなくても小学校で困ることはありません。そして、語彙が豊富でひらがなを読めるという子は、それまでに十分な言葉による働きかけがあったからであり、そういう子は言葉の書きの敏感期といわれる4、5歳ごろには自ら書くことに興味を持ち始めるため、ひらがなを書ける場合が多いのです。また、「しょうぼうしゃ」などの特殊音を含む書き方のルールも、分かっています。

ひらがなが書けない子への具体的支援

ひらがなを書けない子にすべき支援は、ドリルやプリントを使ってひらがなを書かせることではありません。特に、それまでにあまり本を読み聞かせていなかった、まだひらがなを読めないという子に、いきなりひらがなを書かせようとすると、ひらがな嫌いになってしまう可能性があります。

ruamei
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大切なのは、子どもの「読みたい、書きたい」という気持ちを育てること!

文字はコミュニケーションを図るためのツールです。その目的を知らずに、お手本のひらがなを見て写すよう言われても、覚えることはできません

試しに、以下の文字を書いてみてください。みなさんは、書けますか。

左がハングル語、右がアラビア語です。意味は、「こんにちは」。私はハングル語もアラビア語も分かりません。ですから、これらを書けと言われて見様見真似で書いたとしても、明日には忘れているでしょう。明日はおろか、5分後にだって書けません。ひらがなの読み書きができない子ども達にとってのひらがなは、これと同様に見えているのかもしれません。

けれども、私が大のBTSファンで、「ジョングクに手紙を書きたい!」と思ったら、どうでしょう。突然、左のハングル語はきらきらと輝き出し、「アンニョンハセヨ」という意味のある言葉に変わります。そして、きっと2週間後にはハングル語の50音を覚えているでしょう。

まずは、親子の対話や本の読み聞かせを通して、お子さんの「聞きたい」「話したい」「読みたい」「書きたい」気持ちを育ててください。

2.お母さんが話を聞いてくれる → だから、話したい

3.お話の続きを知りたい。いつもお母さんが読んでくれる本だ → だから、読みたい

4.お母さんやお友達に手紙を書きたい(自分の気持ちを伝えたい) → だから、書きたい

ひらがなの読みは、20字覚えたあたりからスピードがあがり、あっという間に全て覚えてしまいます。20字覚えるまでには時間がかかりますが、あせらずに言葉のシャワーを浴びせ、絵本を読んであげましょう。少し読めるようになったら、かるた遊びもおすすめです。子ども達は、お父さんやお母さんと一緒に遊ぶのが大好き。たくさん遊んであげることで、子ども達はその楽しい時間をより豊かにするために、言葉をどんどん覚えていきます。

また、ひらがなを書く練習は必要ありませんが、書くために必要な手や指の力を育てる必要はあります。巧緻性(こうちせい)と言って、手や指の細かい動きをコントロールする能力のことです。鉛筆を持った時に手指に力が入りすぎていたり、逆に弱かったり、ふにゃふにゃとした線しか書けなかったり、逆に紙が破れそうになるほどの筆圧だったりといった場合は、この巧緻性を高める働きかけをしましょう。鉛筆を使った活動では、迷路や塗り絵、線なぞりなどで運筆力を養いましょう。その他、折り紙やあやとり、粘土、ビーズ、お絵かきといった遊びはもちろんのこと、食事中にお箸を使うことでも、巧緻性を高めることができます。靴紐を結ぶといった自分の身の回りのことのほか、ぞうきんを絞る、ビンのふたをあける、りんごにつまようじを刺す、卵を割る、洗濯物をたたむといったお手伝いも、手指の発達を促し巧緻性を高めるだけでなく、家族の役に立っているという責任感を育て、「難しいことができるようになった」という自信にもつながりますので、積極的に手伝ってもらうとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか。このように、小学校入学前にひらがなを書けるようになる必要はありません。ひらがなが書けることよりも、親子の対話や絵本の読み聞かせを通して語彙を増やし、そこからひらがなに興味を持ち自然と読むことにつなげる方がずっとずっと大切です。年長組のお子さんが、今ひらがなを書けない、文字に興味がないという場合は、今までの親子の関わりや日常生活を振り返ってみてください。そして、親子で過ごす楽しい時間を増やしてみてはいかがでしょうか。

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