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東大生ママが幼児期に実践した5つのこと③「数のある生活」

東大への道

算数が得意な子に育てるには、身近な生活の中にある「数」に気づかせてあげることが一番です。小学校の算数は、身近な生活の中で経験しているものばかり。学習内容としての算数を身近な生活の中にある「数」に置き換えて考えられれば、算数につまずくことはありません。ここでは、身近な生活の中にある「数」に気づかせるための具体的な働きかけを紹介します。

「東大生ママが幼児期に実践した5つのこと」第3弾!

身近な生活の中で数を意識する

楽勉らくべん」で知られる親野智可等さんは、「子どもは好きなことなら楽々できる。だから、子供に学力をつけたいと思ったら、子どもを勉強好きにすればよい。楽勉を心がければ、子どもは勉強の楽しさを知り、自然に学力がつく」と言われています。

では、「楽勉」とはなんでしょう?

それは、生活や遊びの中で楽しみながら知的な刺激をして地頭をよくすることです。地頭とは、基本的に頭の性能のことです。

そこには、無理強いや強制は一切ありません。楽しみながらやっているうちに、いつの間にか勉強が好きになり、学力がつくのです。

親野智可等著「『楽勉』で子どもは伸びる!」

私も「楽勉」を意識し、生活や遊びの中から自然に学力を身につけていけるよういろいろ考えていました。この記事では、その中から「かず」を意識した働きかけをいくつか紹介します。

楽勉のヒントがいっぱい。幼児期の今、できることから、どんどん取り入れよう。

①時計をアナログに

デジタル時計は、瞬時に時刻を把握できますが、針の動きが見えないため、「どのぐらい時間が経ったのか」という感覚を身につけることはできません。60秒が1分、60分が1時間、24時間が1日といった時計のしくみや、3本の針がどの向きにどのように動くかを知るためには、アナログ時計は必須です。そこで、リビングと子ども部屋はもちろんのこと、家じゅうの時計をできるだけアナログにしました。そして、「3時になったね。おやつにしようか。30分休憩したら、またお外に行こうね。この長い針が、下まで来たら外に行くよ。」と時計の針を指さして、毎日何度も声をかけていました。「あと10分」「10分前」といった言葉も積極的に使っていると、幼児期に自然と時計の読み方を覚えていきました。

ruamei先生から一言

時計の読み方は小学1年生で学びますが、それまでにアナログ時計を見たことがない子の場合、時計の読み方で非常に苦労します。針がどの向きにどのように動くのかが分かりません。長針と同時に短針も動きますが、それが分からないのです。短針が「3」を示すと「3時」ですが、長針が「3」のところにあれば「15分」を表します。こうしたことを一度に学習しても、すぐに覚えることはできません。幼児期に正確に読める必要はありませんが、時計を見る習慣をつけておけば、1年生の時計の学習でつまずくこともありません。

小学校に入学すれば、常に時間割を意識して行動します。そのためにも、幼児期から時計のある生活を送るとよいでしょう。

ポイント
  1. 長針、短針、秒針がそろっているものを選ぶ。
  2. 背景がシンプルで数字が目立つものを選ぶ。
  3. 数字が大きくて読みやすいものを選ぶ。
  4. 5分単位で読めるようになれば、九九の5の段を学べる。
ruamei
ruamei

私の子ども達が幼いころ、知育時計といえば、学習のためのもの。そして、壁掛け時計といえばおしゃれなものが多く、幼児が時計を見るには不向きのものが多かったです。今は、おしゃれでかつ幼児に分かりやすものが、簡単に手に入るようになりました。以下、いくつかおすすめ時計を紹介します。

短針の先に「〇じ」という時間表示と、外側に分数表示があり、数字を読むだけで何時何分かが分かる。
短針の黒と時間を表す数の色、長針の赤と分数を表す色がそろっていて分かりやすい。茶色もあり。
知育時計ですが、リビングに飾れるおしゃれな時計。数字が見やすい。丈夫なアクリル樹脂を使用。

②なんでも数える

数えられるものは、なんでも声に出して数えていました。物も、車も、階段も。一緒に歩いているときに、数えながら歩いたり、時には後ろ向きに「15、14、13、12……」と歩いたり。歩くときに、1つ飛ばしに数えて「2、4、6……」と偶数にしたり、「1、3、5……」と奇数にしたり。そのおかげか、長男は数に強く、年長組の時には25が4回で100だと計算していました。また、算数が得意という自信が、算数を学ぶ意欲をより高めていったと思います。

ruamei先生から一言

数を理解するには、目の前に「〇〇〇(例えばりんご3個などの具体物)」と数字の「」、そして「さん」という読み方が結びついていなければなりません。また、3のつぎは4、4のつぎは5という順番も知っておかねばなりません。大人にとっては当たり前のことですが、子どもは教えてあげねば分かりません。こうしたことを知らずに小学校入学してきた場合、4月から学習につまずいてしまいます。算数は、「できる」「できない」がはっきりと目に見える教科。1年生の4月に「算数って楽しい。」とスタートできれば、算数が得意教科になるでしょう。

ポイント
  1. 階段は数えながら上ったり下りたりしよう。段数を知っている階段ならば、上るときは1から10の方向に、降りるときは10から1の方向に数えてもいいでしょう。
  2. 歩くときも、「1、2、3…」と数えよう。順番に数えられるようになったら、偶数だけ数える、3の倍数だけ数えることで、九九も学べます。また、子どもは2の倍数、大人は3の倍数だけ数えると、「6、12、18」のところは一緒に数えることになります。このように、公倍数を知ることもできます。
  3. 「100まで数えるまでお湯につかるよ。」と、お風呂で数えよう。

③数は助数詞とセットで使う

「ありがいるね。」ではなく、「ありが5匹いるね。」「車が3台とまっているね。」「靴下を2足とも片付けて。」など、できるだけ数を使って物を表し、その際には必ず助数詞を使っていました。幼い子にはついつい何でも「~個」を使ってしまいがちですが、「~個」はできるだけ使わないよう意識していました。

ruamei先生から一言

数を表すのにやっかいなのが、助数詞。小学1年生の国語でも助数詞を学習しますが、正しく数えられない人がたくさんいます。幼児のうちに何度も聞いて音やリズムで覚えるとよいでしょう。

ある塾の先生によると、私立の幼稚園を受験したときに、「みっつ」を知らずに試験に落ちてしまった事例があったとか。有名私立の受験に出るような難しい問題は解けても、家庭で身につけていて当然という言葉が抜けていて受験に失敗したという残念なケースです。「一つ」「一人」といった特別な数え方をする助数詞はもちろんのこと、「1ぴき」「2ひき」「3びき」のように数字によって読み方が変わるものも要注意です。「ほん」「はい」「ふん」など、「は行」で始まる助数詞の読み方が変化します。

ポイント
  1. 「〇個」を多用せず、できるだけいろんな助数詞を使う。
  2. 「なんばんめ」と「なんばん」の違いに気をつけよう。駐車場で自分の車が何台目なのか、同じ列には何台とまっているのか、などを探してもらおう。

④分けてもらおう

我が家では、テーブルセッティングが子ども達の仕事でしたが、おやつのクッキーやサラダのミニトマトも積極的に分けてもらっていました。10個のミニトマトを5人で分ければ一人2つずつになります。こうした経験を通して、わり算もできるようになっていきました。

ruamei先生から一言

わり算の原理を理解できない子がいます。また、算数の文章題において、問題の意味を理解できない子がいます。そういった子どもの多くは、身近に数のある生活を送ってこなかったため文章題の意味する場面をイメージすることができません。なぜ、わり算をするのかが分からず、計算の方法だけを機械的に学ぶため、応用がききません。

小さいときから、いろんなものを分けてもらいましょう。我が家の事例のようにおやつのクッキーでもよいですし、ピザやジュースなどもおすすめです。

ピザやホールケーキは、分数を学ぶことができます。全体を8つに分けた一つ分が8分の1ですが、分数や割合が苦手な人は、この全体となるもの(もとになるもの)を1ととらえることができないことが多いです。幼い時から、分ける経験を積んでおけば分数でつまずくことがありません。

また、子どもがつまずくものに量の単位がありますが、普段から牛乳やジュースを分けてもらっていれば、1Lが1000mLであること、200mLのコップ5杯分であることを容易に理解できます。子ども達の幼齢や学齢に合わせて「200mLのコップ5杯で1Lになるんだね。」など数字や単位を使って声をかけましょう。

実際に子どもが分ける必要はありません。「このピザは8つに分かれているから、お父さんとお母さんが1枚ずつで、子どもたちは2枚ずつ食べられるね。」と言いながら、取り分けてあげればよいのです。

小学校の算数は、日々の生活の中にあるものばかり。数を意識するだけで、子どもは数に強くなり、算数が大好きになります

ポイント
  1. お手伝いでいろんなものを分けてもらってわり算を知ろう。
  2. ピザやケーキなどを等分して分数の感覚を養おう。

⑤カレンダーを飾ろう

大きな壁かけカレンダーと、卓上カレンダーを使っていました。壁かけカレンダーには家族の予定や、行事、誕生日などを大きく書き込んでおくと、「あと3回寝たら誕生日会だ。」と何度もカレンダーを見ては楽しみにしていました。

卓上カレンダーは、「何月」「何日」「何曜日」を漢字で書いたものを食卓に置いておき毎日今日が何月何日何曜日かを読み上げていました。月は12枚、日は31枚、曜日は7枚準備し、毎日めくれるようにしていました。できるだけ漢字に触れてほしいと思い、意図的に漢字で書いていました。慣れてくると、子ども達が自分でめくって「何月何日何曜日」かを教えてくれるようになりました。特に「ついたち」から「とおか」などは特別な読み方をするので、何度も意識して日付を言葉にして発していました。

ruamei先生から一言

みんなが集まるところ、みんなが見るところに、大きなカレンダーを貼って活用しましょう。子ども達にとって特別な日に書き込んだり、印をつけたり、シールを貼ったりしてもらえば、その日が待ち遠しくなります。毎日カレンダーを見て、その日が来るのを指折り数えることでしょう。カレンダーの日付は7を基準にしています。毎日カレンダーを見ることで子ども達の苦手な九九の7の段に親しむこともできます。

「しがつ」「くがつ」そして、「ついたち」から「とおか」、「じゅうよっか」「はつか」「にじゅうよっか」は特別な読み方をします。カレンダーに慣れていないと、「よんがつ」「にじゅうにち」などと読む子がいます。カレンダーを生活の中に取り入れ、幼児期に月日と曜日を言えるようにしておきましょう。

ポイント
  1. 日付の読み方が書いてあるカレンダーを選ぼう。
  2. カレンダーを貼るだけでなく、子ども達と一緒にどんどん予定を書き込もう。子ども達には、マークを描いてもらったり、シールを貼ってもらってもOK。
ruamei
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幼児期におすすめのカレンダーです。おすすめポイントはこちら。

  • ひらがなで読み方が書いてあり、子ども達が自分で読める。
  • 幼児向けの年間行事が書いてある。
  • 余計な情報がなく、数字が大きく分かりやすい。
  • 一日ごとに独立したブロックになっていて、何月何日かが分かりやすい。
  • 十分な書き込みスペースがある。

まとめ

毎日の生活に数はあふれています。そして、小学校の算数は、生活の中にある数が分かればつまずくことはありません。けれども、親が何もしなければ子ども達は、生活の中に隠れている数に気づかないまま過ごしてしまいます1年生のはじめに「算数って楽しい。」と思ってもらえば「しめたもの」です。「楽しい」「分かる」「簡単」という気持ちが、その後の学習意欲を育ててくれます。忙しい方こそ、ぜひ毎日の生活の中に「楽勉」を取り入れてください。

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