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東大生ママが幼児期に実践した5つのこと①「語りかけ」

東大への道

子ども達が幼い時、私の願いはただ一つでした。「子ども達とずっと一緒に日本語で会話したい。」ということ。日本であれば、子どもと日本語で会話することなど当たり前でしょう。けれども、海外で子ども達に年齢相応の日本語を身につけさせるには、親の並々ならぬ努力(もちろん子どもの努力も!)がいるのです。言葉は、学力と最も関係が深いといわれています。ですから、「言葉を大切にする」こと、そしてそのための「環境を整えること」を重視した育児が結果的に長男の東大合格につながったと思っています。この記事では、「言葉を大切にする」「環境を整える」ことを中心に、幼児期に実践した5つのことから1つ目を紹介します。

ひたすら語りかける

子どもの喃語に応え、子どもの気持ちを代弁する

育児は子どもが生まれた瞬間から始まっています。母乳を飲ませている時も、バギーに乗せてお散歩に行くときも、常に語りかけていました。また、自分が歌を専門としていたので、語りかけることと同様、童謡やわらべ歌、手遊びなどで働きかけてかけていました。

母乳を飲ませているときは、「おいしいでしょ。たくさん飲んでね。」

子どもが「クー。」「ウー。」と発すれば、「クー。」と繰り返したり、「あぁそう。楽しいの。ご機嫌ですね。」と声をかけたり。

お散歩に行けば、「今日は、いいお天気だね。」「あっ、白いねこさんがいるね。『ニャー』っていったよ。」「大きいお兄さんが歩いているよ。学校の帰りかな。」

「あっ、ちょうちょがとんでいるよ。♪ちょうちょ、ちょうちょ、なのはにとまれ……♪」

など、子どもが感じているだろうこと、自分が見たことなどをひたすら話しかけるのです。

その時に、短い文で話すこと、「白い」や「大きい」などの修飾語を使い、「ニャー」といった擬音語なども用いてできるだけ具体的に話すようにしていました。

生まれたばかりの赤ちゃんは、言葉を知りません。相手の感情を理解することもできません。けれども、自分の「クー。」「ウー。」という喃語に対する相手の反応の良し悪しを感じることができるそうです。それが赤ちゃんにとって心地よい反応であれば、もっと喃語でお話ししてみようと言葉を発していくのです。

まだ言葉を知らない赤ちゃんですから、語りかけというと一方的な印象を受けますが、泣いたり笑ったり、喃語を発したり、指をさしたりと、子どもは大人の働きかけにちゃんと応えてくれているのです。

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語りかける時には、「インリアルアプローチ」がおすすめ。「インリアルアプローチ」とは、子どもとよりよいコミュニケーションをとることで、言葉を育てようという方法です。

  1. モニタリング:子どもの音声や言葉をそのまま真似る
  2. パラレルトーク:子どもの行動や気持ちを代弁する
     子)ご飯を食べている
     親)「ごはん、おいしいね。」
  3. セルフトーク:大人自身の行動や気持ちを言葉で表現する
     親)「お手伝いしてくれて嬉しいな。」「ママ、頭が痛くて、元気がないの。」
  4. リフレクティング:子どもの言い誤りをさりげなく言い直して聞かせる
     子)「タラスだ!」
     親)「本当だ、カラスがいるね!」
  5. エキスパンション:子どもの言葉を意味的、文法的に広げて返す
     子)「あ、ワンワンだ。」
     親)「白いねこがいるね。」「高いところが好きなんだね。」
  6. モデリング:子どもに新しい言葉のモデルを示す
     子)電車を見ている
     親)「新幹線だ。うわあ、速いね。ビューンと行っちゃったね。」
  7. ミラーリング:子どものやっていることをそのまま真似る

話をするとき、話を聞くときは子どもの目の高さで

また、お散歩中にバギーをとめて話をするときは、子どもと目線を合わせるためにバギーの横にしゃがんで話したり、話しかけるときは目を見て話したり、を心がけていました。勤務先の保育園や小学校でも、子どもの話を聞くときはしゃがんで子どもの目を見て話を聞くようにしていましたが、上から大きな大人に見下ろされて話をするよりも、自分と同じ高さの大人にやさしく見つめられたら、子どもは「自分のことをちゃんと聞いてくれている」と実感できるのではないでしょうか。

少し話はそれますが、以前国際線の飛行機に乗った際、飲み物がほしいと思い、キャビンアテンダントの呼び出しボタンを押しました。「カプチーノをください。」というだけなのですが、わざわざ呼び出してまでお願いするのは気が引けますし、それを英語でお願いしなければなりません。ドキドキしていましたが、応じてくれたキャビンアテンダントのお兄さんが、私のところにきてひざまずき、「何かお困りですか。」と言われたとき、いつもよりもずっと話しやすいと感じました。今までキャビンアテンダントに話しかけられる時、相手は立ったままだったので高圧的な印象を持っていたのですが、自分より低いところに目線がある人からは自然と「あなたの話を聞きたい。」という姿勢が伝わりこんなにも話しやすくなるのだと驚いたものです。

「大人」対「大人」でもこのように感じるのですから、対「子ども」に対して常に上から話をしていたら、子どもはどのように感じるでしょうか。その一方で、お母さんが常に目線を合わせて話を聞いてくれたら、子どもはどう思うでしょうか。もっとお母さんと話をしたいとどんどん言葉を覚えていくと思います。

幼児期の語りかけと学力との関係

サリー・ウォードさんの著書「『語りかけ』育児」によると、親が一日30分語りかけ育児を続けると、たとえ言葉の獲得につまずいていたり、発達が遅れていたりする子どもでも、わずか数週間か数か月のうちに、年齢並みの発達やそれ以上に発達するとのこと。サリー・ウォードさんの調査では、言葉に遅れがある子ども達のグループに、生後10か月から語りかけ育児を続けた場合、7歳の時にはグループの平均IQが年齢相応の上位3分の1に属し、中でもその25%から30%は秀才の範囲にあったとのこと。

このことから、幼児期の語りかけが、如何にその子の言葉の発達や学力に大きな影響を与えているかがよく分かります。

毎日、30分間だけは赤ちゃんとしっかり向き合います。

「語りかけ育児」全体を通して何より大切なのは、赤ちゃんとだけいる時間を一日に30分とることです。その時間は1対1でお互いに完全に集中するようにします。この時間は赤ちゃんにはかりしれない恵みをもたらすのです。

サリー・ウォード著「『語りかけ』育児」より
サリー・ウォード氏の著書
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